1. 変数とは?
プログラムを書く際に、データを一時的に保存し、必要に応じて利用するための箱のようなものが「変数」です。たとえば、計算の途中結果を保存したり、ユーザーが入力した情報を記憶しておくのに使います。
Excelのセルにデータを保存するのと似ていますが、変数はプログラムの実行中にのみ存在し、Excelのシート上に直接表示されるわけではありません。これにより、計算結果の一時的な保存や、複数の処理をスムーズに実行することが可能になります。
2. 変数の役割
(1) データの一時保存
プログラムの実行中に必要な値を一時的に保存し、再利用できます。
Dim total as integer
total = 100
この例では、変数 total
に 100
という数値を一時的に保存し、後の処理で利用できます。
(2) 処理の効率化
一度取得したデータを変数に格納することで、同じデータを何度も取得する手間を省き、処理を効率化できます。
Dim price as integer
price = 120 + 60
このように、変数 price
に計算結果を保存することで、計算を繰り返さずに済みます。(変数 price
には、180が入っている状態になる)
(3) 値の変更が容易
セルに直接計算式を書いてしまうと、値の変更時にシート上の複数のセルを修正しなければならないことがあります。しかし、変数を使えばプログラムの中で一括変更が可能です。
Dim discountRate As Double
discountRate = 0.9 '割引率を変更可能
このように、変数の値を変更するだけで、全体の処理に影響を与えることができます。(‘割引率を変更可能はシステム実行時には影響しないコメント。コメントにしたい箇所の先頭に ’ (シングルクォーテーション)を付けるとコメント扱いになる)
(4) プログラムの可読性向上
コードの中で具体的な値を直接記述するのではなく、意味のある変数名を使うことで、プログラムの内容を理解しやすくなります。
Dim employeeSalary As Double
employeeSalary = 50000
このように、 50000
という数字を直接書くよりも、 employeeSalary
(従業員の給料)という変数を使ったほうが、意図が明確になります。
従業員の給料に関するデータであると直感的に考えることができ、コードを読み取り安くなります。
(5) 条件分岐やループ処理との連携
変数を活用することで、条件によって処理を変えたり、繰り返し処理を行うことができます。
現時点でわからない方は参考までに。。。
Dim i As Integer
For i = 1 To 10
Cells(i, 1).Value = "データ" & i
Next i
このように、 i
を変数として利用することで、簡単に繰り返し処理が可能になります。
3. まとめ
変数は、データを一時的に保存し、プログラムの処理をスムーズにするために欠かせない要素です。
- データの一時保存
- 処理の効率化
- 値の変更の容易さ
- プログラムの可読性向上
- 条件分岐やループ処理との連携
これらの役割を理解し、適切に活用することで、より柔軟で効率的なVBAプログラムを書くことができます。
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