VBA(Visual Basic for Applications)は、ExcelやWordなどのOffice製品上で動作するプログラミング言語です。業務効率化や自動化のツールとして、現場では根強い需要があります。しかし、プログラマー視点で見ると「将来性はどうなのか」「学ぶ価値はあるのか」と疑問に思う人もいるでしょう。この記事では、VBAの将来性と有用性について整理し、現場で役立つスキルとしての価値を考えます。
1. VBAの将来性
日本企業での利用はまだ多い
日本では、ExcelやWordを使った業務が根強く残っている会社が多くあります。
- 毎月の集計作業や報告書作成
- データの整理・抽出作業
- 複雑な業務フローの自動化
こうした現場では、VBAを使って業務を効率化するニーズは今後も続くと考えられます。特に「大量データを手作業で処理している会社」や「既存のOffice環境を前提にした業務システム」がある企業では、VBAは非常に有用です。
プログラマー視点での限界
一方、VBAは他のプログラミング言語に比べると、学習の難易度は低いです。
- すぐに習得でき、日常業務の自動化には十分対応可能
- ただし、高度なシステム開発やWebアプリ、クラウドサービス開発には向かない
そのため、プログラマーとしての市場価値や転職・収入アップを考えた場合、VBAだけでは少し難しいのが現実です。ここで重要なのは、VBAだけでなく**「上流工程のスキル」や「業務ヒアリング力・提案力」**を組み合わせることです。
例えば、VBAで業務を効率化するだけでなく、クライアントの課題を整理して改善提案まで行えるエンジニアは、価値が高まります。
2. VBAの有用性
まだまだ現場で需要がある
VBAは、現場での需要が非常に根強い言語です。
- Excelでの大量データ処理を自動化するニーズは多数
- 日報作成や月次集計など、定型業務の効率化に直結
- RPAツールを導入している企業でも、VBAスキルが補助的に使われることが多い
実際、VBAを活用して作業時間を大幅に短縮した事例は数多くあります。私も実際にVBAでの開発を通して、某会社で月100時間以上の工数削減に貢献してきました。ただ現場では「すぐに使えるスキル」としての評価は高いのですが、業界全体としての評価はそこまで高くない印象があります。
評価と需要のギャップ
このギャップは、VBAが「技術的に比較的簡単」という理由もあるでしょう。難易度が低いため、プログラマーの間では「高度な言語に比べると市場価値が低い」と見られがちです。しかし、現場で求められるスキルとしての有用性はまだ十分にあるのです。
3. VBAを学ぶ意義と将来の活かし方
VBAは「即戦力になるスキル」として現場で価値がありますが、将来的にキャリアを広げるには付加価値をつけることが重要です。
- 業務理解力・ヒアリング力:クライアントや社内の課題を正確に把握する
- 改善提案力:単なる自動化ではなく、業務改善まで提案する
- 他の技術との組み合わせ:PythonやPower Automate、RPAツールと組み合わせて業務効率化を進める
こうした能力を磨くことで、VBAだけに頼らず、市場価値の高いエンジニアとして活躍できます。
4. 結論
- 現場での需要:ExcelやOffice製品を使った業務はまだ多く、VBAのスキルは現場で非常に有用
- プログラマー視点の将来性:単体での転職・収入アップは難しいため、業務理解力や提案力など、付加価値をつけることが重要
- 現場評価と業界評価のギャップ:技術的に習得が簡単なため、評価は低く見られがちだが、実務では強力な武器になる
VBAは決して古い技術ではなく、現場での効率化や業務改善に直結する貴重なスキルです。将来性を考えるなら、VBAスキルに業務改善力や他言語の知識を組み合わせることが、キャリアを広げる鍵となります。
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