VBAには「標準モジュール」や「ユーザーフォーム」といった複数のモジュールがありますが、その中でも上級者がよく利用するのが クラスモジュール(Class Module) です。
クラスモジュールは、Excel VBAで オブジェクト指向的なコード構造 を実現するための仕組みで、
「データ(状態)」と「処理(動作)」をひとまとめにして扱えるようにするものです。
はじめて触れると少し難しく感じますが、実務での再利用性・保守性・可読性が大幅に向上する非常に強力な仕組みです。
1. クラスモジュールは“自分で作るオブジェクト”
Excelには最初からたくさんのオブジェクトが用意されています。
- Workbook
- Worksheet
- Range
- ListObject
- Chart
など、普段使っているものはすべて オブジェクト です。
クラスモジュールは、
これらと同じように「自分でオブジェクトを作れる仕組み」 と考えてください。
2. 状態(データ)と動作(処理)をセットで管理できる
オブジェクトは、一般的に
- 情報(=プロパティ)
- 動作(=メソッド)
の両方を持っています。
たとえば Range オブジェクトなら
- Value(値)
- Address(アドレス)
- ClearContents(クリア)
- Copy(コピー)
といったように、「値(状態)」も「操作(動作)」も一つのまとまりとして扱えます。
クラスモジュールを使うと、
同じ仕組みを自分のロジックにも適用できる ようになります。
3. “機能単位のまとまり”を強制的に作れる
通常の標準モジュールだと、
- 変数がどこにあるか分かりにくい
- 関連するプロシージャが散らばる
- 依存関係が複雑になる
といった問題に陥りがちです。
しかしクラスモジュールでは、
関連するデータと、それを扱う処理を一つのファイルに閉じ込められる ため、
設計がシンプルで扱いやすくなります。
4. 複数のインスタンス(実体)を作れる
標準モジュールは「1つのプログラム」ですが、
クラスモジュールは 何個でもコピー(実体=インスタンス)を作れます。
たとえば
- 顧客オブジェクト(Customer)を100人分作る
- 商品オブジェクト(Item)をリスト分だけ生成する
- 処理単位ごとに独立したオブジェクトにする
など、実務で便利なケースは多いです。
5. “1つのまとまり”として扱えるので保守性が高い
プロジェクトが大きくなるほど、
- 関数が散在
- 変数のスコープが複雑
- どこを修正すべきか分からない
といった問題が起こります。
クラスモジュールを導入すると、
オブジェクト単位で責務(役割)を明確に分けられるため、
後から読んだときの理解負担が大幅に減ります。
6. まとめ:クラスモジュールは“自作オブジェクト”
クラスモジュールは VBA の中でも強力で、実務で役立つ仕組みです。
- 自分でオブジェクトを作れる
- データと動作をセットにできる
- 複数インスタンスを作れる
- コードの構造化・保守性向上に絶大
といったメリットが得られます。
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