― 特徴・できること・できないこと・マクロ・実務での使い分け ―
最近は仕事でもプライベートでも、表計算ソフトを使う機会が増えています。
特に「Excel」「Excel Online」「Googleスプレッドシート」は見た目が似ているため、
- 何が違うの?
- どれを使えばいいの?
- SharePointで開いてるのはExcel?スプレッドシート?
- マクロってどれで使えるの?
と迷いやすいポイントがたくさんあります。
そして実は、
この3つは “似ているようで、役割も性能もまったく違うツール” です。
この記事では、初心者でもすぐ理解できるように、
機能の違い・得意なこと・不得意なこと・マクロ言語の違い・実務での使い分け を
丁寧にわかりやすく説明していきます。
「自分はどれを使うべき?」が確実にわかる内容になっています。
1. まずは3つの正体を整理しよう
● Excel(PC版)
パソコンにインストールして使う“本家Excel”。
最も多機能で、企業の実務ではこれが標準となっています。
特に VBA が使えるのはこのPC版だけ という大きな特徴があります。
● Excel Online(Web版)
ブラウザで開くExcelで、SharePoint・OneDriveの共同編集時によく使います。
インストール不要で便利ですが、PC版と比べると機能が少なく、VBAは使えません。
ただし複数人で同時編集したい場合に非常に便利です。
● Googleスプレッドシート
Googleが提供する無料の表計算ツール。
すべてWebで完結し、共同編集は最強レベル。
マクロは Apps Script(GAS)を利用します(JavaScriptベース)。
Excelとは似ていますが、機能や考え方が少し異なる独自のツールです。
2. 3つの違いをざっくりイメージする図解
- Excel(PC):最も強力。VBA可。業務で標準。
- Excel Online:Excelの軽量Web版。共同編集向き。VBA不可。
- スプレッドシート:Web特化ツール。無料で強力な共同編集。Apps Script(GAS)で拡張可。
3. できること・できないこと比較表
| 項目 | Excel(PC) | Excel Online | スプレッドシート |
|---|---|---|---|
| 基本操作 | ◎ | ◎ | ◎ |
| グラフ・ピボット | ◎ | △(制限あり) | △(制限あり) |
| VBA | ◎ | ✕(Office Scriptsのみ) | ✕(Apps Script) |
| 外部システム連携 | ◎ | △ | △ |
| 共同編集 | △ | ◎ | ◎◎(外部共有が容易) |
| オフライン | ◎ | △ | △(設定で可) |
| 無料? | ✕ | ○(個人利用だと機能制限あり or Microsoft 365契約に含まれる) | ◎ |
4. マクロ言語の違い
● Excel(PC版):VBA
Excel最大の強み。
帳票作成・データ処理・外部システムとの連携など、企業実務では必須の技術。
● Excel Online:Office Scripts
JavaScript(TypeScript)ベースの軽量スクリプト。
Web版Excelでの簡易自動化に使われますが、PC版VBAより機能は少なめ。
※VBAは動作しません。
● スプレッドシート:Apps Script(GAS)
JavaScriptで書けるため学びやすく、
Googleサービスとの連携(メール送信・チャット通知・Webアプリ化など)が得意です。
5. 実務での使い分け
● Excel(PC版)が最適なケース
- マクロ(VBA)で自動化したい
- 会計・分析などの高度な作業
- 大量データの処理
- 複雑な帳票作成
- 既存の業務フローがExcel前提
企業では最も重要なツールです。
● Excel Onlineを使うべきケース
- SharePointでの共同編集
- 外出先で手軽に閲覧や修正
- ファイルの配布を避けたい場合
- バージョン管理が楽になる
ただしVBAは使えないので、重い業務には不向き。
● スプレッドシートが得意なケース
- 無料で環境をそろえたい
- 社内外ふくめて同時編集したい
- 軽い管理表や台帳の作成
- GASで通知・自動化・Webアプリ化したい場合
共有のしやすさはExcelより圧倒的です。
6. メリット・デメリットまとめ
● Excel(PC版)
【メリット】
- VBAが使える
- 業務で圧倒的に普及している
【デメリット】
- 有料
- 共同編集が弱い
- PC性能に左右される
● Excel Online
【メリット】
- インストール不要
- 共同編集が得意
- SharePointとの相性が◎
【デメリット】
- 機能が少ない
- VBA不可
- 複雑な処理に向かない
● Googleスプレッドシート
【メリット】
- 無料で使える
- 共同編集が最強レベル
- Apps Scriptで拡張性抜群
【デメリット】
- Excelと完全互換ではない
- 大規模データに不向き(シートの最大セル数:500万セル)
- 複雑な帳票や業務処理には弱い
7. 結論:どう使い分ければいい?
- 本格的な業務 → Excel(PC版)
- SharePoint共有中心 → Excel Online
- 無料でチーム共同編集 → Googleスプレッドシート
これが最も効率的でトラブルが少ない選択です。
8. 最後に:初心者向けのシンプルな覚え方
- Excel(PC)=プロ仕様・最強ツール
- Excel Online=Webで軽量版のExcel
- スプレッドシート=共有と無料が最強のツール
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