― Dictionaryを使うための基礎知識 ―
1. はじめに
VBAでDictionary(ディクショナリ)を使うと、データの管理や検索がとても便利になります。
ただし、Dictionaryを利用するには、事前にMicrosoft Scripting Runtimeというライブラリの設定が必要です。
この記事では、初心者の方にもわかりやすく、「Scripting Runtimeライブラリとは何か」「Microsoft Scripting Runtime に含まれる機能」について解説します。
2. Scripting Runtimeライブラリとは?
Scripting Runtimeライブラリとは、Microsoftが提供する、VBAやVBScriptで便利な機能を使えるようにする追加の部品(ライブラリ)です。
このライブラリを利用すると、以下のような便利なオブジェクトが使えるようになります。
- Dictionary:キーと値のペアでデータを管理
- FileSystemObject(FSO):ファイルやフォルダの操作ができる
つまり、Scripting Runtimeは、VBAの標準機能には含まれていない、便利な道具箱のようなものです。
3. Microsoft Scripting Runtime に含まれる主なオブジェクト
以下は、Scripting Runtimeライブラリ(正式名称:Microsoft Scripting Runtime)に含まれる、代表的なオブジェクトです。
⚫️Dictionaryオブジェクト
データを**「キーと値のペア」**で管理するためのオブジェクトです。
✅ キーを使って高速にデータ検索
✅ データの追加・削除が簡単
✅ 配列より柔軟なデータ管理が可能
⚫️FileSystemObject(FSO)
ファイルやフォルダを操作するためのオブジェクトです。
✅ ファイルの作成・削除・コピー
✅ フォルダの操作
✅ ファイル内容の読み書き
⚫️その他の関連オブジェクト
FileSystemObjectとセットで使える便利なオブジェクトも含まれています。
オブジェクト名 | 概要 |
---|---|
Drive | ドライブ情報の取得 |
Folder | フォルダ情報の取得・操作 |
File | ファイル情報の取得・操作 |
TextStream | テキストファイルの読み書き |
これらを組み合わせることで、ファイル操作やデータ管理が、より簡単かつ効率的に行えるようになります。
4. ライブラリの設定方法
Microsoft Scripting Runtimeを使うためには、事前に以下の設定を行います。
⚫️参照設定手順
- VBAエディタを開く(Alt + F11)
- メニューから「ツール」→「参照設定」をクリック
- 「Microsoft Scripting Runtime」にチェックを入れる
- OKを押して設定完了
これで、DictionaryやFileSystemObjectが使えるようになります。
5. まとめ
Microsoft Scripting Runtimeは、VBAをより便利にするための追加ライブラリです。
特に、以下のような場面で大活躍します。
✅ Dictionaryでデータを効率よく管理したい
✅ ファイルやフォルダをプログラムで操作したい
✅ テキストファイルの読み書きを行いたい
これらの機能をうまく活用することで、VBAの可能性が大きく広がります。
初心者の方も、ぜひ積極的に取り入れてみてください。
補足:
参照設定せずにCreateObject("Scripting.Dictionary")
を使う方法もありますが、参照設定を行った方が、コード補完や型のチェックが効くため、初心者の方にはおすすめです。
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